2つ目は、石鹸の界面活性作用がよりお肌に優しいから、という理由です。
油分を含む汚れを落とすには、必ず界面活性作用を持ったものが使われています。界面活性作用とは、水と油が混ざり合うように変化し、油汚れが水で洗い流せる状態になることです。
そして、石鹸も合成洗剤(合成界面活性剤)も同じような界面活性作用を持っています。しかし、両者の違いは水で洗い流した後にはっきり表れます。
実は石鹸は水で洗い流すと界面活性作用を失う性質(一次分解)を強く持っているんです。
つまりたっぷりの水で洗い流せば、お肌の上に界面活性作用が残りづらいということ。
これがどれくらい優れた性質で、肌に大切なことか!
繰り返しますが、界面活性作用というのは「水と油が混ざり合うようにする」もの。つまり肌バリアである皮脂とも混ざってしまう可能性があるということになります。
それが肌の上にいつまでも残っていると、肌を守っている皮脂バリアが破壊され、不純物が肌内部へ侵入し、それが刺激となって肌荒れなどの原因になる可能性がとても高くなります。
完全にすすぎ切ればその心配はないのでしょうが、目に見えないほど小さい粒子まですすぎ切るのは実はなかなか難しいことです。
更に、界面活性作用を失わない洗浄剤が下水を通って流れ出ることで水質汚染に繋がってしまうという問題もかつてはありました。
近年ではお肌の上で分解される合成界面活性剤も多く出ていますが、それが完全に分解されて無機化(究極分解)されるまでの速度や、精度はやはり石鹸のほうが優れていることが多いです。
このように、天然の界面活性作用を持つ石鹸と、合成界面活性剤を使っている洗浄剤では、洗顔後のお肌への優しさ、環境への影響にも大きく隔たりがあるのです。