界面活性剤は肌に悪いと 誤解していませんか?

公開日:2025年12月5日

「界面活性剤が入っていない洗顔料を使いたい」 そんな声をよく耳にします。肌を大切に思うからこそ、化学的な響きを持つ言葉に不安を感じるのは当然のことかもしれません。

しかし、長年石けんの研究を続けてきた私から、ひとつだけお伝えしたい真実があります。それは、「界面活性剤は、決して肌の敵ではない」ということです。むしろ、その性質を正しく理解し、味方につけることこそが、理想の素肌に出会う近道なのです。

今日は、誤解されがちな界面活性剤の仕組みと、私が研究の末に辿り着いた「生」という答え。そして、その魅力を最大限に引き出すための、ちょっと新しい洗顔習慣についてお話しします。

界面活性剤の役割と「石けん」の優しさ

界面活性剤の役割と「石けん」の優しさ界面活性剤の役割と「石けん」の優しさ

まず、なぜ洗顔に界面活性剤が必要なのか、その理由を紐解いてみましょう。

私たちの顔につく汚れの多くは、皮脂やメイクなどの「油」です。一方で、顔を洗う水は「水」です。水と油は、そのままでは反発し合って混ざりません。 この仲を取り持つのが界面活性剤です。水になじむ性質と、油になじむ性質を両方持っているため、肌の上の油汚れを包み込み、水と一緒に連れ去ってくれます。これがなければ、私たちは油汚れをすっきり落とすことができません。

問題は「強さ」と「残りやすさ」です。 洗浄力が強すぎるものや、いつまでも肌に残るものは、肌を守る大切な潤いの膜まで奪ってしまうことがあります。

そこで見直されているのが、人類最古の界面活性剤である「石けん」です。 石けんは、天然の油脂とアルカリから作られます。その最大の特徴は、「水で薄まると、洗浄力を失う」という潔い性質です。

たっぷりの水ですすぐと、石けんはその瞬間に洗浄の仕事を終えます。だから、汚れは落とすけれど、肌に残してあげるべき潤い成分までは奪いすぎない。この「選択して洗う」ような働きこそが、石けんが長く愛される理由です。

固形石けんの限界を超えた「生」の技術

固形石けんの限界を超えた「生」の技術固形石けんの限界を超えた「生」の技術

石けんは本来、肌に優しい洗浄剤です。しかし、従来の「固形石けん」には、その形状ゆえの物理的な制約がありました。 それは、「石けんとして形を保つためには、固形分(石けん素地)の割合を多くしなければならない」という点です。

どれほど良質な保湿成分を配合したくても、液体成分(水分や美容オイル)を多くしすぎると、石けんは固まることができず、ドロドロに溶け崩れてしまいます。つまり、固形という便利な形を維持することと、潤い成分を限界まで配合することは、トレードオフの関係にあったのです。

「形を保つことよりも、肌への潤いを最優先にしたい」 その発想の転換から生まれたのが、「生せっけん」という技術でした。

あえて固形化せず、柔らかなペースト状にとどめる。 この決断により、「固めるための制約」から解放されました。その結果、従来の固形石けんでは配合しきれなかった多量の水分や、ハーブエキスなどの美容液成分を、全体の約56%という驚くべき高濃度で抱え込ませることが可能になったのです。

それはもはや「洗顔料」という枠を超え、「汚れも落とせる高濃度美容液」と呼ぶ方がふさわしい存在と言えるかもしれません。

「スティック型」が叶える、濃密な泡体験

「スティック型」が叶える、濃密な泡体験「スティック型」が叶える、濃密な泡体験

生せっけんは成分的に非常に優れていますが、ペースト状であるがゆえに「容器からスパチュラですくうのが面倒」「お風呂場で水が入ってドロドロになる」という扱いづらさがありました。

そこで開発されたのが、リップクリームのようなスティック容器に入った生せっけんです。

ここでご注意いただきたいのが、その使い方です。 スティックのまま肌に塗るのではありません。このスティックは、「誰でも簡単に、極上の泡を作るための形」なのです。

 

【生せっけんスティックの正しい使い方】

1. スティックから生せっけんを2mmほど繰り出します。

2. 乾いた泡立てネットに、スティックの先端から繰り出たせっけんを直接こすりつけます。

3. 水を加えて泡立てネットで泡立てると、あっという間に空気が含まれ、生クリームのような濃密な泡が立ち上がります。

なぜ、ネットを使うのか。それは、生せっけんのポテンシャルを最大限に引き出すためです。 生せっけんは、泡立てネットを使うことで毛穴よりも小さい0.1㎜の大きさの泡ができるので、毛穴の奥の汚れを優しく吸い出すことができます。

ネットから絞り出した泡は、逆さにしても落ちないほどの弾力を持っています。この「泡のクッション」を顔に乗せ、手と肌が直接触れないように優しく転がす。 これこそが、摩擦という刺激を与えずに汚れだけを落とす、理想の洗顔法です。

毎日の洗顔を「ハーブの儀式」へ

毎日の洗顔を「ハーブの儀式」へ毎日の洗顔を「ハーブの儀式」へ

私が特におすすめしたいこの生せっけんスティックは、タイの伝統的な美容ハーブから厳選された17種類のハーブエキスがたっぷりと練り込まれており、泡立てた瞬間に広がる香りは、深呼吸したくなるほど豊かです。

また、成分へのこだわりも徹底しています。 デリケートな肌のことを考え、合成界面活性剤はもちろん、鉱物油、パラベン、合成着色料、シリコン、エタノールなどは使われていません。洗浄成分は植物由来の石けんのみ。

スティック容器のおかげで、中身の生せっけんは最後まで外気に触れにくく、新鮮なハーブの香りと保湿成分が守られます。浴室に置いても溶け崩れることなく、最後まで衛生的に使えるのも嬉しいポイントです。

洗い上がりの肌に、答えがある

洗い上がりの肌に、答えがある洗い上がりの肌に、答えがある

「界面活性剤」という言葉を怖がって、汚れを落としきれない優しいだけの洗顔を選んでいませんか? あるいは、汚れを落としたい一心で、潤いまで奪う強い洗顔を選んでいませんか?

「生せっけん」は、そのどちらでもありません。 石けんという界面活性剤の賢い性質と、たっぷりの美容成分が融合した、理にかなった選択肢です。

ネットで泡立てた濃密な泡に顔をうずめる至福の時間。 そして洗い流した後、タオルで拭いた肌が、驚くほどしっとりと柔らかく整っている感覚。 あわてて化粧水をつけなくても、肌が自ら潤いを抱え込んでいるような、そんな素肌本来の力強さを感じていただけるはずです。

毎日の洗顔を、ただの作業から、自分をいたわる時間へ。 スティックから生まれる「生」の泡で、あなたの素肌習慣をアップデートしてみませんか?

もし、今の洗顔に少しでも違和感を感じているのなら、一度この「生せっけんスティック」を手に取ってみてください。洗い流した瞬間の、指先に吸い付くような肌触りが、その答えを教えてくれるはずです。

生せっけん研究家
松田理沙 Lisa Matsuda

百貨店で美容部員としてキャリアをスタートし、2011年にルアンルアンの「生せっけん」と出会う。濃密な泡とハーブの力に魅了され入社し、「素肌美の近道は洗顔。」をテーマに泡の質や肌へのやさしさを研究。身体のケアにも視野を広げ、リラクゼーション技術の習得や、生せっけんの原点であるタイにも通いながら独自のスキンケアメソッドを築く。二児の母として、忙しい日々でも無理なく続けられる “シンプルで続くスキンケア” を提案している。

よくある質問(FAQ)


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