公開日:2026年2月27日
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「毎日欠かさず化粧水をつけているのに、時間が経つとすぐ乾燥する」「高い保湿クリームを使っているのに、肌がゴワつく」。そんな悩みを抱えている方は少なくありません。実は、肌の潤いを保つために本当に必要なのは、単に「水分を与える」ことではなく、与えた水分を「肌の中に留めておく力」です。その力を司る主役こそが、今回詳しく解説する「セラミド」です。
今回はスキンケアの常識とも言えるセラミドについて、その正体から種類、効果的な取り入れ方まで、専門的な視点を交えながら徹底的に深掘りしていきます。
セラミドとは?肌の「潤いの要」の正体
セラミドとは、私たちの肌の最も外側にある「角層」に存在する脂質の一種です。角層内にある「細胞間脂質」の約50%を占める主成分であり、肌の健やかさを維持するために欠かせない存在です。
科学的に見たセラミドの構造
セラミドは、スフィンゴシンという物質に脂肪酸が結合した「スフィンゴ脂質」の一種です。最大の特徴は、水になじみやすい性質(親水基)と、油になじみやすい性質(親油基)の両方を持ち合わせていることです。
この性質により、セラミドは水分をサンドイッチ状に挟み込み、何層にも重なった「ラメラ構造」を作り上げます。この構造こそが、過酷な乾燥環境下でも肌内部の水分をがっちりと繋ぎ止め、蒸発を防ぐ「最強の保湿メカニズム」なのです。この構造が整っている肌は、光を均一に反射するため、見た目にも透明感とツヤが生まれます。
レンガとセメントの比喩
よく例えられるのが、「レンガ(角層細胞)」と「セメント(セラミド)」の関係です。丈夫な壁を作るには、立派なレンガ(細胞)だけでなく、それらを隙間なくつなぎ止める強力なセメント(セラミド)が必要です。セラミドはこのセメントとして細胞同士をピタッと密着させ、水分が逃げる隙間を一切作らせません。
このセメントが不足すると、レンガの間に隙間ができ、そこから肌内部の水分が蒸発し、外からは刺激物質が入り込みやすくなってしまいます。これが「乾燥肌」や「敏感肌」の根本的な原因となります。
セラミドが果たす「2つの重要な役割」
なぜ「保湿といえばセラミド」と言われるのでしょうか。それには、肌の生命線とも言える2つの大きな役割があるからです。
① バリア機能の維持:外敵から肌を守る
セラミドが細胞間を隙間なく埋めていることで、肌の「バリア機能」が正常に働きます。これにより、紫外線、摩擦、花粉、雑菌、あるいはPM2.5といった外部刺激が肌の奥へ侵入するのを防ぎます。バリアが機能している肌は、多少の刺激では揺らがない、いわゆる「強い肌」になります。逆にセラミドが不足してバリアが壊れると、普段使っている化粧水が染みたり、髪の毛が顔に触れるだけで痒みを感じたりするようになります。
② 水分保持機能:湿度が低くても水分を離さない
セラミドの水分保持力は、他の保湿成分と比較しても群を抜いています。例えばヒアルロン酸は「水を抱え込む」性質がありますが、環境が乾燥しすぎると水分を手放してしまうことがあります。一方でセラミドは、水分を「挟み込んで固定する」ため、たとえ湿度が0%になっても水分を離さないと言われています。この圧倒的な安定感こそが、冬場の乾燥やエアコンによるインナードライ対策にセラミドが必須とされる理由です。
セラミドが減少する原因:加齢と生活習慣の罠
残念ながら、セラミドは体内で無限に作られ続けるわけではありません。
加齢による避けられない減少
セラミドの産生量は20代をピーク に減少していきます。50代になると、その量は20代の頃の約半分 にまで落ち込むと言われています。加齢に伴い肌の厚みが減り、キメが乱れるのも、このセラミド減少が大きく関わっています。「若い頃と同じスキンケアをしていても乾く」のは、セラミドが減っているサインなのです。
日常生活に潜む「セラミド泥棒」
・間違った洗顔 : 40度以上の熱いお湯や、洗浄力の強すぎる洗剤は、大切なセラミドまで溶かし出してしまいます。
・過剰な摩擦 : タオルで顔をゴシゴシ拭く行為は、角層を物理的に破壊し、セラミドを流出させます。
・睡眠不足とストレス : セラミドは夜寝ている間の成長ホルモン分泌によって合成されます。不規則な生活は供給をストップさせてしまいます。
セラミドの種類と選び方の基準:成分表の見極め方
スキンケア製品の裏面にある「成分表示」には様々なセラミドの名前が並びます。表を使わず、重要なポイントを4つのカテゴリーに絞って整理しました。
・ヒト型セラミド(もっとも推奨)
人間の肌にあるセラミドと全く同じ構造をしています。成分表示では「セラミドNP」「セラミドAP」「セラミドEOP」などと表記されます。肌への親和性が極めて高く、浸透力・保湿力ともに最強クラスです。壊れたバリア機能を正常化する力が強いため、乾燥や敏感肌に悩む方にとっての「本命」です。
・天然セラミド(動物由来)
馬などの動物の脳や脊髄から抽出される脂質で、「セレブロシド」や「ウマスフィンゴ脂質」と表記されます。ヒトの皮脂に近い構成のため馴染みが良いですが、希少なため価格が高くなりがちです。
・植物セラミド
米、こんにゃく、大豆、麦などから抽出されます。成分表示例は「コメヌカスフィンゴ糖脂質」「グルコシルセラミド」など。肌に優しく、サプリメントなどの「飲むセラミド」としても活用されますが、保湿力はヒト型に比べると穏やかです。
・疑似セラミド
化学的に合成された、セラミドに似た構造を持つ成分です。成分表示例は「セチルPGヒドロキシエチルパルミタミド」など。大量生産ができるため安価な製品に多く含まれます。広範囲を保湿するのには適していますが、ヒト型ほどの密着性は期待できません。
専門家が注目する「ヒト型セラミド」の各成分とその役割
「ヒト型セラミド」が配合されている製品の中でも、複数の種類が組み合わされているものを選ぶのが理想的です。
・セラミドEOP : 潤いを保ちながら、肌を保護します。
・セラミドNG : 人の肌に最も多く含まれるタイプで、極めて高い水分保持力を誇ります。
・セラミドNP : 水分を保持するだけでなく、ハリを与えます。
・セラミドAG : 外部刺激をブロックしつつ、肌リズムをサポートします。
・セラミドAP : キメを整え、肌を滑らかにする役割を担います。
これらをバランスよく補うことで、肌の「セメント」はより強固になります。
セラミドを効果的に取り入れるスキンケアの黄金ルール
どんなに良い成分でも、使い方が間違っていては効果は半減します。
1.洗顔後「30秒以内」に補給 : 洗顔直後の肌は、バリアを構成していた脂質が一時的に取り除かれた無防備な状態です。1秒でも早くセラミド配合の化粧水で肌を保護しましょう。
2.ハンドプレスで「じわっ」と浸透させる : 手のひらの体温を利用してじっくり押し込むのが正解です。脂質であるセラミドは、温めることで角層に馴染みやすくなります。
3.インナードライには「重ね付け」 : 表面はテカるのに内側が突っ張る方は、セラミド化粧水を少量ずつ3回ほど重ねてみてください。
生活習慣で「内側から育てる」セラミドケア
外からの補給と同時に、自分の肌でセラミドを「作る力」を維持することも重要です。
・「黒い食材」を味方につける : こんにゃく芋、黒豆、小豆、ひじき、ごぼうなどには、セラミドの原料となる成分が豊富です。特にこんにゃく芋由来のセラミドは有名です。
・良質な油を摂取する : 亜麻仁油や青魚に含まれるオメガ3系脂肪酸は、肌の細胞膜を柔軟にし、健やかな肌作りをサポートします。
・湿度をコントロールする : エアコンが効いた室内は想像以上に乾燥しています。加湿器を利用して湿度は50?60%をキープしましょう。
理想のバリアケアを叶える「ルアンルアン」のセラミド化粧水
現代の過酷な環境で美肌を保つには、「質の高いヒト型セラミドを、バランスよく補うこと」が結論となります。そこでおすすめしたいのが、ルアンルアンのセラミド化粧水です。
5種のヒト型セラミドを贅沢配合
ルアンルアンの最大の特徴は、先ほど解説した重要なヒト型セラミドを、なんと5種類(EOP, NG, NP, AG, AP)も配合している点です。多角的なバリアケアにより、年齢とともに減ってしまったセメントを、まさに「パズルのピース」を埋めるように補完してくれます。
天然由来の優しさと圧倒的な浸透力
ルアンルアンは、タイの伝統的なハーブ学に基づいた「生せっけん」で高く評価されているブランドです。その哲学は化粧水にも生かされており、肌への負担を最小限に抑えつつ、美容成分を角層の奥深くまで届けるための独自仕様を採用。スッと吸い込まれるような浸透感は、一度使うと手放せなくなる心地よさです。
セラミドで「揺らがない未来の肌」を手に入れよう
私たちの肌を美しく保つための「最後の砦」であるセラミド。
「水分を与える」だけのケアを卒業し、セラミドで「バリアを立て直す」ケアへ。
ルアンルアンの化粧水のような、ヒト型セラミドを豊富に含んだ本物のアイテムを味方につけて、どんな季節も乾燥に負けない、内側から満たされた潤い肌を目指しましょう。
今日から始めるセラミドケアが、5年後、10年後のあなたの肌を決定づけます。まずはその一歩を、信頼できる一本とともに踏み出してみてください。
監修者:生せっけん洗顔研究家 松田理沙
生せっけん洗顔研究家
松田理沙 Lisa Matsuda
百貨店で美容部員としてキャリアをスタートし、2011年にルアンルアンの「生せっけん」と出会う。濃密な泡とハーブの力に魅了され入社し、「素肌美の近道は洗顔。」をテーマに泡の質や肌へのやさしさを研究。身体のケアにも視野を広げ、リラクゼーション技術の習得や、生せっけんの原点であるタイにも通いながら独自のスキンケアメソッドを築く。二児の母として、忙しい日々でも無理なく続けられる “シンプルで続くスキンケア” を提案している。
よくある質問(FAQ)
Q1. セラミドケアは、何歳から始めるべきですか?
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A. 早すぎることはありません。肌のセラミドは20代をピークに加齢とともに減少していくため、20代後半からの予防ケアとしてもおすすめです。特に減少が顕著になる30代・40代以降の方にとっては、若々しく健やかな肌を保つための必須ケアと言えます。肌の揺らぎや乾燥を感じた「今」が始めどきです。
Q2. 脂性肌(オイリー肌)やニキビ肌でも、セラミドは必要ですか?
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A. はい、ぜひ取り入れてください。肌の表面がテカっていても、実は内側が乾燥している「インナードライ」が原因で、肌を守ろうと過剰な皮脂が出ているケースが多くあります。セラミドでしっかりと水分を保持しバリア機能を整えることで、過剰な皮脂分泌が落ち着き、肌バランスが正常に近づきやすくなります。。
Q3. 植物性や動物性のセラミドより「ヒト型セラミド」が良いのはなぜですか?
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A. 肌への「馴染みやすさ」と「バリア機能のサポート力」が圧倒的に違うためです。ヒト型セラミドは、人間の肌に元々存在しているセラミドとほぼ同じ立体構造を持っています。そのため、パズルのピースがカチッとはまるように角層の隙間を埋めることができ、他のセラミドに比べて高い保湿力と保護力を発揮します。
Q4. こんにゃく芋などの食事だけでも、セラミドを十分に補えますか?
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A. 食事からセラミドの「材料」を取り入れ、内側から作る力を育てることは非常に重要です。しかし、加齢や毎日の洗顔、紫外線ダメージなどで失われるセラミドの量には、食事だけでは追いつかないのが現実です。そのため、「食事による内側からのケア」と「ヒト型セラミド化粧水による外側からの直接補給」の両輪で行うのが理想的です。
Q5. 化粧水をつけるときの「ハンドプレス」はなぜ重要なのですか?パッティングではダメですか?
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A. パンパンと叩くパッティングは、摩擦などの刺激となり、せっかくのバリア機能を傷つけてしまう恐れがあるためおすすめできません。セラミドは細胞間「脂質」の一種なので、手のひらの体温を利用して温めながら優しく押し込む(ハンドプレスする)ことで、角層のすみずみまでより深く、スムーズに馴染ませることができます。