肌悩みは、自分を責める理由ではない。|大切にしていること

「こんなに頑張っているのに、どうしてなんでしょう。」

肌のために良いと思うものを調べて、毎日お手入れを続けている。それなのに、思うような肌にならない。

これまでお客様のお話を伺う中で、そんなもどかしさに触れることが何度もありました。

私自身も、同じように悩んできた一人です。

肌を何とかしたくて試したことも、今振り返れば後悔していることもあります。でも、そのときはそのときで、真剣だったんですよね。

だから私は、肌悩みを聞くとき、今の肌の状態だけでなく、そこに至るまでの時間も大切にしたいと思っています。

肌を何とかしたかった、あの頃の私。

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美容の仕事を始める前も、百貨店で美容部員として働いていた頃も、私自身、理想の肌に少しでも早く近づきたいと思っていました。

当時の私は、どちらかというと洗顔よりも、その後の与えるケアに目が向いていました。

肌の調子が気になれば、美容液を取り入れてみる。

少し肌が整ってきたかな、と感じても、
またニキビができたり、肌が揺らいだり。

そのたびに、やっぱり落ち込んでしまうんですよね。

特に気になっていたのが、毛穴の詰まりです。

鏡を見ると、どうしてもそこに目がいってしまう。

気になって、指で押し出してしまったことも、一度や二度ではありません。

指先で押すと肌が赤くなってしまうから
「そうだ、綿棒を使えばいいんだ!」と。

結局、綿棒を使って毛穴の詰まりを押し出していたことも、数えきれないほどありました。

今思えば、肌に負担をかけるようなことをしていたなと思います。

でも、当時は目の前にある気になるものを、とにかく早くなくしたかったんです。

肌のことを大切にしたいと思っているのに、その気持ちが強いあまり、かえって負担になるようなことをしてしまう。

今でも、あのとき押し出さなければ、毛穴のことでこんなに悩まなかったのかな、と考えることがあります。

もちろん、今の毛穴の状態が、そのときのケアだけで決まったわけではないと思います。

それでも、後悔がないと言えば嘘になります。

ただ、あの頃の私も、少しでも早く理想の肌に近づきたくて、自分なりに情報を集め、いろいろなケアを試していました。

今振り返ると、その中で自分にとって都合のいい情報ばかりを信じていたのかもしれません。

あの頃の私には、あの頃なりに肌と向き合おうとする気持ちがありました。

頑張ってきた時間まで、否定したくない。

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以前、お話を伺った50代のお客様のことが、今も心に残っています。

それまでは大きな肌トラブルもなく、普段からあまりメイクをせず、素肌で過ごすことが多かったそうです。

ところが50代に入った頃から、今まで感じたことのなかったかゆみが出たり、デコルテに小さなポツポツができたり。

「あれ、今までと何か違う。」

そんな変化に戸惑い、これまで以上にスキンケアに気を配るようになったとお話ししてくださいました。

新しく美容液を取り入れたり、肌のためにできることを増やしたり。それでも、思うようにならない。

お話を聞きながら、まず感じたのは、お客様の不安と戸惑いでした。

ずっと慣れ親しんできた自分の肌が変わっていく。

今までと何が違うんだろう、どうしたらいいんだろう。

そんな戸惑いも、きっと大きかったのではないかと思います。

同時に、ほんの小さな変化にも気づけるほど、ご自身の肌をよく見て、大切にされてきた方なんだな、とも感じました。

だから私は、何かをすぐに勧めるより先に、今どんなことが気になっているのか、どんなケアを続けてきたのかを伺いました。

肌のために良いと思って続けてきたケアが、今の肌に合っているとは限りません。

そのお客様には、与えるケアを増やすことだけでなく、クレンジングや洗顔を見直すこと、ケアを少しシンプルにすることも選択肢としてお話ししました。

すると

「それだけで大丈夫なのかな」

と、少し不安に感じていらっしゃるようでした。

これまで自分で調べて選び、続けてきたものを減らすのですから、簡単には決められないですよね。

私自身、以前は何かを足したり、気になるものを取り除いたりすることで肌を変えようとしていました。だから、ケアを減らすことへの不安もわかります。

ただ減らせばいいわけではないし、これまでの方法が全部間違っていたと言いたいわけでもありません。

なぜ見直すのか。今の肌にとって、どんなケアが必要なのか。

そこを一緒に考え、お客様ご自身が納得して選べることを大切にしたいと思っています。

自分の肌を何とかしたくて悩んだ時間があるからこそ、今、お客様のお話を聞くときにも、その気持ちを忘れずにいたいと思います。

ケアの方法を見直すことと、これまで頑張ってきた自分を否定することは、別のこと。

私は、お客様にも、そして過去の自分にも、そう思っています。

どんな肌で、毎日を過ごしたいですか。

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お客様から肌のお悩みを伺うとき、私がまず聞いてみたいと思うことがあります。

それは

「どんな肌になりたいですか?」

ということ。

そして、その肌で、どんな毎日を過ごしたいですか?ということです。

例えば、毛穴が気になるというお客様がいらっしゃったとします。

もちろん、目立つ毛穴を何とかしたいという気持ちはあると思います。

でも、もう少しお話を聞いてみると、その先には別の想いがあるのかもしれません。

メイクをしなくても、気兼ねなく外に出かけたい。

鏡を見るたびに毛穴を気にするのではなく、もう少し自分の肌に自信を持ちたい。

何を望んでいるのかは、その方によって違います。

だから私は、どんなときにその悩みが気になるのか、肌がどうなったらうれしいのか、そんなことも聞いてみたいんです。

その悩みがあることで、どんな気持ちになっているのか。
肌が変わったら、どんなふうに毎日を過ごしたいのか。

そこまで知ることで、初めて一緒に考えられることもあると思っています。

もちろん、肌の状態は一人ひとり違います。

同じ毛穴の悩みでも、肌の状態や普段のお手入れによって、見直したいことは変わってきます。

今の肌の状態や、これまで続けてきたケアを一緒に振り返りながら、その方に合ったケアや洗顔方法を、一緒にひも解いていきたい。

私がまず目を向けたいのは、毎日の「落とす」ケアです。

新しいものを足す前に、今の洗い方はどうだろう。

必要以上にこすっていないかな。洗いすぎていないかな。

そんな小さなところから、一緒に考えていけたらと思います。

何かを変えることが、必ずしも正解とは限りません。

今まで大切にしてきたケアを続けることもあれば、少し見直してみることもある。

その方が「これなら続けていきたい」と思える方法を、ご自身で選べるように。

私は、その想いを大切にしながら、今の肌にできることを一緒に考えていきたいです。

肌と向き合うことは、自分を責めることではない。

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洗顔について学び、たくさんのお客様の肌と向き合うようになった今でも、自分の肌が気にならなくなったわけではありません。

鏡を見て、毛穴が気になる日もあります。

以前よりくすみを感じたり、年齢とともに変わっていく肌に、少しがっかりすることだってあります。

そんなとき、昔の私だったら、気になるところを何とかしようと、すぐに新しいケアを探していたかもしれません。

でも今は、少し違います。

気になるところを見つけたときこそ、まずは毎日の洗顔に目を向けてみる。

肌に負担をかけるような洗い方になっていないかな。今の肌に合ったケアができているかな。

そんなふうに、自分の肌と向き合うようになりました。

必要に応じて、スキンケアを少しシンプルにすることもあります。

でも、それは何も与えなくていいということではありません。

私が大切にしているのは、まず素肌の土台を整えること。

汚れをきちんと落としながら、肌に必要なうるおいは守る。

毎日の洗顔を丁寧に重ねることは、健やかな素肌を保つための大切な一歩だと考えています。

もちろん、洗顔だけですべての肌悩みがなくなるわけではありません。

何かを足すことばかりに目を向けるのではなく、まずは今の素肌を大切にしてあげたい。

肌の変化に戸惑う日があっても、これまで頑張ってきた自分を責める必要はないと思っています。

今日の肌を見て、今の自分にできることを考えてみる。

私自身も、これから先、年齢とともに変わっていく肌と向き合いながら、毎日の洗顔を大切にしていきたいです。

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