

一口に「くすみ」と言っても、お肌の表面や内部で起きている現象は様々です。大人の素肌を暗く見せるくすみは、大きく分けて「茶・青・黄・グレー」の4つのタイプに分類されます。
まずはご自身の肌状態と照らし合わせながら、そのメカニズムを紐解いていきましょう。
① 茶くすみ:擦れと刺激が招く「摩擦ダメージ・メラニン定着」
見た目の特徴: 目元、頬骨のあたり、口元など、部分的に茶色っぽく影が差している。
原因と正体: 物理的な「摩擦」と「紫外線」によるメラニンの蓄積。
洗顔やクレンジングの際、無意識に手を肌に押し当ててゴシゴシ擦っていませんか? また、コットンで力強く拭き取ったり、日々のメイクで強く肌を触ったりすることも危険です。
お肌は「擦る」という物理的な刺激を受けると、自らを守るための防御反応として「メラニン工場」を稼働させます。本来ならターンオーバーによって排出されるはずのメラニンですが、慢性的な摩擦刺激が加わり続けることでお肌に定着。これが、小さなシミや色ムラが広がったような「茶くすみ」の正体です。
② 青くすみ:冷えと疲労が生む「血行不良・酸素不足」
見た目の特徴: 顔全体が青白く、血色感がなく、どんよりと不健康に見える。
原因と正体: 毛細血管の血流低下と、それに伴う血液中の酸素不足。
季節の寒暖差、エアコンによる冷え、ストレス、パソコンやスマートフォンによる目の駆使、睡眠不足……。これらはすべて、お肌の毛細血管を収縮させる要因となります。
皮膚のすぐ下を通る毛細血管に新鮮な酸素が行き渡っていると、お肌は健康的でピンクがかった血色感を保てます。しかし、血流が滞ると血液は暗い赤褐色に変化し、皮膚を通して透けることで顔全体が青暗く見えてしまうのです。これが「青くすみ」です。夕方になると顔色が悪くなるという方は、この血行不良タイプが多いのが特徴です。
③ 黄くすみ:皮脂の酸化と体内の「糖化(タンパク質の焦げ)」
見た目の特徴: 肌全体が黄色っぽく濁り、透明感がなく、固くゴワついている。
原因と正体: 皮脂や残留油分の「酸化」と、体内の「糖化反応」。
黄くすみには、お肌の「表面」と「内部」の2つの原因が存在します。
まずお肌の表面で起きるのが「皮脂の酸化」です。日中に分泌された自分の皮脂や、落としきれずに残ったクレンジング剤の油分は、空気に触れることで時間の経過とともに酸化(油焼け)し、黄色く変色してお肌にへばりつきます。
もうひとつ、お肌の内部で起きるのが近年注目されている「糖化」です。食事などで摂取した余分な「糖」と、肌を構成する「タンパク質(コラーゲンやエラスチン)」が体温によって結びつくと、AGEs(最終糖化産物)という褐色物質が作られます。これが「肌の焦げ」と呼ばれ、お肌の奥から黄色く濁らせる原因となります。
④ グレーくすみ:ターンオーバー停滞による「すりガラス現象(多層化角質)」
見た目の特徴: 肌全体が灰色がかって見え、手で触ると固く、表面がザラザラしている。
原因と正体: お肌の生まれ変わり周期の乱れと、古い角質の蓄積。
4つのくすみの中で、大人世代(特に50代・60代)を最も悩ませているのが、この「グレーくすみ」です。
健やかな若い肌のターンオーバー(皮膚の生まれ変わり)は約28日周期と言われていますが、加齢や乾燥、自律神経の乱れなどによって、大人肌のターンオーバーは約90日(約3ヶ月)まで伸びることが分かっています。
周期が遅れると、本来なら自然に剥がれ落ちるはずの古い角質(タンパク質の老廃物)がお肌の表面にどんどん溜まり、何層にも重なった「多層化角質」を形成します。
きめ細かく透明な窓ガラスも、埃や汚れが何層も重なると光を通さない「すりガラス」のようになってしまいますよね。これと同じ現象が、あなたのお肌の上で起きているのです。表面に居座った古い角質が光の透過を妨げ、光をきれいに反射できなくなることで、お肌は灰色の影を帯びてしまいます。





















