まず洗顔料には2つの種類があることを知っておきましょう。
それが「石鹸」と「合成洗剤」です。
同じような洗浄イメージを持たれることが多い両者ですが、その製法や成分は全く異なります。
まずはこの2つの違いについて理解していきましょう。
洗顔料にどのような成分が使用されているかご存じでしょうか?
毎日使うものですので、購入する際には成分にも目を向けたいですよね。
今回は「洗顔料の成分」をテーマに解説します。洗顔料の主な成分の特徴を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
洗顔料の主な成分
■ 石鹸とは?
石鹸とは、脂肪酸とアルカリ性金属を反応させることで生まれる洗浄剤のことです。
洗顔石鹸などに含まれている脂肪酸はヤシ科の植物に含まれているものを使っていることが多く、そこにアルカリ性の金属を反応させると石鹸が生まれます。
紀元前から使われていただけあり、とてもシンプルで家庭でも作れる製法・材料なのが石鹸の特徴の1つです。
■ 合成洗剤とは?
合成洗剤とは、複雑な化学合成を用いて作り出した人工的な洗浄剤のことです。
石油から取り出した成分を使うことが多いですが、最近はイメージを良くするために天然油脂を使うこともあります。
石鹸と違うのは、天然の成分を使っていたとしても、それを複雑な化学合成に巻き込み、本来自然界に存在しないものを組み合わせて洗浄剤としている点です。
台所洗剤や車用洗剤、ドラッグストアなどでよく見る「洗顔フォーム」など、商品名に「石鹸(SOAP)」が入っていないものの多くが合成洗剤です。
基本的に脂肪酸などは使わず、アミノ酸系の「ラウロイルグルタミン酸Na」「ココイルイセチオン酸Na」などの界面活性剤を洗浄成分として配合しています。
■ 「石鹸と合成洗剤」スキンケアに良いのは?
皮膚科医や美容家などのプロも効果を認めている石鹸での洗顔がおすすめです。
合成洗剤は使いやすくプチプラなものが多いというメリットがあり、それが私たちの暮らしを豊かにしてくれる面もありますが、ことスキンケアに関しては肌への優しさや安全性を重視したいところ。
同時に環境への優しさという点に関しても、石鹸を使うことが人にも地球にも優しいと考えています。
洗顔石鹸の主な成分
先ほどご説明したように、石鹸の製法や材料はとてもシンプルです。
ただ、脂肪酸1つとっても様々な種類があります。
手洗い用の洗浄力が強い石鹸を作りたいから〇〇の脂肪酸を原料に使おう、など目的の効果によって成分は選ばれているわけです。
これを理解していると、自分の肌タイプに合った石鹸を選べますので、ぜひ憶えておいて洗顔石鹸を選ぶ時に商品の裏側の成分一覧を確認してみてください。
■ 洗浄成分~脂肪酸~
① ラウリン酸
洗浄力は弱いですが、冷水でも泡立ちが良い石鹸が出来上がります。抗菌作用に優れていますが、皮膚刺激がやや強くなるので、乾燥・敏感肌の方は避けたほうが良いです。
② ミリスチン酸
泡洗顔に最適なキメ細かい泡が作れ、細胞間脂質(セラミドなど)を落としてしまいやすい石鹸になります。洗い過ぎに繋がりやすいため、角質層のうるおい機能が落ちている肌の方は注意が必要です。
③ パルミチン酸
洗浄力は弱いですが、皮脂(スクワレンなど)の汚れを落としやすい石鹸が出来上がります。混合肌や脂性肌、メンズもにおすすめです。
④ ステアリン酸
皮脂汚れを落としやすく、細胞間脂質(セラミドなど)を落としにくい石鹸が出来上がります。脂肪酸の中で最も刺激が少ないため、保湿や低刺激を求める方におすすめです。
⑤ オレイン酸
皮脂汚れは落としにくく、細胞間脂質(セラミドなど)を落としてしまいやすい石鹸が出来上がります。オレイン酸はアクネ菌のエサになるため、ニキビが出来やすい方は過剰な摂取に気を付けてください。
■ 洗浄成分~アルカリ性金属~
① 水酸化ナトリウム(水酸化Na)
硬い固形石鹸を作る時に用いられる成分で、皮膚刺激が優しい石鹸になりやすいです。
② 水酸化カリウム(水酸化K)
液状・ジェル状の石鹸を作る時に用いられる成分で、洗浄力が優しい石鹸になりやすいです。
(豆知識)石鹸素地について
商品の後ろにある配合成分を確認した時に、脂肪酸やアルカリ性金属の名前が無く「石けん素地」とだけ表記している商品があります。
この”石けん素地”とは「脂肪酸×アルカリ性金属で作った石けんです」という意味です。
法律では石鹸をどのように作り出しているのか商品に明記しなくても良いことになっているので、成分を明かさないためにこのようにしているのだと思います。
ちなみにこの”石けん素地”の表記は3種類あります。
水酸化Naを使った「石けん素地」。水酸化Kを使った「カリ石けん素地」。そして水酸化Na+水酸化Kのハイブリッド「カリ含有石けん素地」です。
公表しないのは成分に自信が無いから…ではないと思いますが、選ぶ側からすれば脂肪酸までしっかりと表記してある商品のほうが安心できるのは事実です。
■ 美容成分
美容目的の洗顔石鹸には、石けん素地として使われる脂肪酸とアルカリ性金属以外にも、保湿成分や美白成分など様々な美容成分が配合されています。
ここでは肌悩み別に最近人気のおすすめ成分を挙げてまいります。
① 乾燥肌におすすめの美容成分
グリセリン、セラミド、ヒアルロン酸、ソルビトール
② 敏感肌におすすめの美容成分
グリチルリチン酸ジカリウム、ナイアシンアミド、グリセリン、セラミド
③ 脂性肌におすすめの美容成分
グリチルリチン酸ジカリウム、CICA、炭、クレイ
④ 混合肌におすすめの美容成分
セラミド、ヒアルロン酸、グリチルリチン酸、クレイ
洗顔料を成分で選ぶ際のポイント・注意点
忘れてはいけないのが、洗顔は「不要なものを洗い流す」ために行うということです。
同時に「必要なものをいかに洗い流さないか」でもあります。
そこにプラスαとして「美容成分」が加わってきます。
なので、洗顔石鹸を選ぶ際に一番見て欲しい成分は「脂肪酸」です。
そもそも保湿機能を洗い流しにくい脂肪酸を多く使っている石鹸であれば、保湿用の美容成分は最低限でも良いのです。
どうしても美容成分ばかり気になってしまう気持ちはとても分かります。
ただ、スキンケアには落とす工程と与える工程があり、クレンジングや洗顔は落とす工程。
肌になるべくダメージを与えずに清潔にリセットし、与えるケアに繋げていくためのもの。
だから落とし方・守り方に最も影響を及ぼす脂肪酸が大切なのです。
多くの美容石鹸は複数の脂肪酸を配合しているので見分け方が難しいかもしれませんが、配合している脂肪酸の中で1番目に書かれているものを見れば、何となくどのような石鹸かわかります。
洗顔料を成分で選ぶ際にぜひ参考にしてみてください。
ルアンルアン「生せっけん」の成分について
私たちが長年作り続けている「生せっけん/ハーバルフレッシュソープ」は、カリ含有石けんです。
使用している脂肪酸は4種類ですが、一番多く配合しているのはステアリン酸。
つまり、潤いを守りながら皮脂を洗い流しやすい石鹸になっています。
となるとコンセプトは、肌本来の機能を邪魔しないように、菌の発生や毛穴黒ずみに繋がる皮脂はしっかり目で落としていく。ただ復活しにくい保湿機能はなるべく落とさない、という製法です。
またステアリン酸の「肌刺激が少ない」という特徴と、カリ含有石けんの「泡立ちが良い」という特徴も活かすことで、敏感肌、乾燥肌、混合肌にとって使いやすい石鹸にしています。
美容成分にはグリチルリチン酸やCICAなどの肌を落ち着かせる成分に加え、フラボノイドやビタミンCなど、エイジングケアに優れた成分を天然のハーブエキスから配合しています。
洗顔料を成分で選んでみては
商品やブランドのキャッチコピーなども目安にはなりますが、最終的には肌は1人ひとり異なっており、日々変化するものですので、万人に共通する良い洗顔石鹸というのは存在しないように思います。
だからこそ成分を1つの目安として、ご自身の今の肌状態にあった洗顔料を選べる力を身につけてください。
「洗顔ジプシー」なんて言葉がこの世から無くなることを願っています。
ルアンルアンの生せっけん
ルアンルアンの生せっけんは、潤いを守りながら皮脂を洗い流しやすい洗顔石鹸です。
肌本来の機能を邪魔しないように、菌の発生や毛穴の黒ずみに繋がる皮脂はしっかり目で落としていく。ただ復活しにくい保湿機能はなるべく落とさないという考えのもとに開発しました。
2種類のクレイ(ホワイトクレイ、ベントナイト)と、石鹸が液体になる寸前まで配合した美容液成分が「落とす」と「守る」を同時に叶える、自然由来の洗顔石鹸です。