頑張れば頑張るほど、肌も心も荒れていった。|はじまり #03

社会人として歩み始めた私は、毎日を必死に過ごしていました。

仕事を覚えることに夢中で、自分のことはいつも後回し。

気づけば、肌も心も少しずつ余裕をなくしていました。

そんな当時の私は、鏡を見るのが今よりも苦手でした。

あの頃は、肌荒れを見たくなかったから、鏡を見るのが苦手なのだと思っていました。

でも今振り返ると、その理由は、もっと別のところにあったような気がしています。

鏡を見るたびに、私は何を見ていたのか──。

その頃の私は、まだ気づいていませんでした。

がむしゃらだった、社会人一年目。

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はじめて社会人として飛び込んだのは、今とはまったく畑違いのITベンチャーでした。

当時は、就職活動がとても厳しいといわれていた時代。

何十社もの企業を受ける中で、自分が「ここで成長したい」と思えた会社でした。

社会人としての経験はもちろん、ITについての知識も全くなく、
本当に、まっさらな自分で挑む新しいステージ。

不安に押しつぶされそうになる一方で、ここでなら自分も成長できるかもしれないと、期待でいっぱいだったことを覚えています。

新卒の私がはじめて担当させていただいたお取引先様では、パソコン周りの環境整備や設備の準備など、社員の皆さんが安心して仕事ができるようサポートする仕事を担当していました。

分からないことばかりでしたが、

任せていただいた以上、精一杯応えたい。

その一心で、一つひとつの仕事に向き合っていました。

お取引先様での業務を終えると会社へ戻り、その日の出来事を振り返りながら、次の日の準備をする。

何も分からない私に、先輩方は一つひとつ丁寧に仕事を教えてくださり、昨日までできなかったことが、少しずつできるようになっていきました。

気づけば帰りは終電になる日も多く、毎日があっという間に過ぎていきました。

それでも、できることが増えていくことは純粋に嬉しく、

「もっとできるようになりたい。」

その頃の私の頭の中は、仕事のことでいっぱいで、自分のことを考える余裕なんて、ほとんどありませんでした。

鏡を見るのが、少しずつ苦手になっていった。

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仕事に夢中になる毎日を過ごす中で、生活のリズムは少しずつ乱れていきました。

帰宅は遅く、食事も睡眠も不規則。

「今日も一日が終わった。」

そう思ってベッドに入る頃には、もう日付が変わっていることも少なくありませんでした。

気づけば、それまで特に大きなトラブルもなかった肌にも、少しずつ変化が現れ始めていました。

はじめは「疲れているだけかな。」と思っていましたが、ある日、鏡に映る自分を見て思わず足が止まりました。

「あれ? 私、こんなにクマがあったっけ……。」

いつもより少し近づいて顔を見てみると、頬や鼻の毛穴まで、以前より目立っているように見えました。

見て見ぬふりをしていた現実を、一気に突きつけられたような気がしたのを覚えています。

一度気づいてしまうと、今度は肌の小さな変化まで気になるようになります。

ニキビができると、どうしても気になって触ってしまう。

触らなければいいと分かっているのに、気になってしまう。

そのたびに赤みは増して、さらに目立ってしまい、
そんな赤みを隠そうと、コンシーラーを重ねる。

でも、思うようには隠れない。

隠そうとするほど厚塗りになって、今度はメイクが崩れてしまう。

そんな悪循環だけでも十分つらいのに、鏡を見ると、

「あ、またできそう。」

まだ赤くもなっていない小さな膨らみを見つけるだけで、

「これはまた目立つニキビになるんだろうな……。」

そんなことまで考えてしまうようになっていました。

朝は隠せたと思っていても、時間が経ってふと鏡を見ると、崩れたメイクの隙間から赤みやニキビが見えてしまう。

そのたびに、本当に落ち込みました。

「肌が荒れていることが、みんなにバレないといいな……。」

そう思いながら家を出る朝も、少なくありませんでした。

当時は、肌荒れを見たくなかったから、鏡を見るのが苦手なのだと思っていました。

でも今振り返ると、本当は少し違ったのかもしれません。

鏡に映る肌を見るたびに、

思うようにいかない自分まで見つめているような気がしていたのです。

答えを知るために。

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どうにかしたい。

その気持ちだけが、日に日に大きくなっていきました。

当時の私は、肌の乱れをどうにか整えようと、情報を集めては試すことを繰り返していました。

本や雑誌、インターネットで情報を集めては、

「これなら変わるかもしれない。」

と思える方法を見つけては、美容液を変えてみる。

クリームを試してみる。

肌に良いと聞けば、とにかく試してみる。

社会人になったことで、自分のお金でエステなどにも通えるようになった私は、毛穴の汚れが原因かもしれないと思えば、毛穴洗浄を受けてみたこともありました。

肌のためにできることは、できる限りやってみよう。

そんな気持ちで、さまざまな方法を試していました。

「今度こそ、変わるかもしれない。」

そう期待して始めたケアも、少し肌の調子が良くなったように感じる日があれば、また新しいニキビができてしまう日もある。

鏡を見るたびに、小さな変化に一喜一憂していました。

昨日より少し良くなった気がして喜んでも、翌朝にはまた違う場所にニキビを見つけてしまう。

「今度こそ」と思っていた期待が、ほんの数日で消えてしまうことも、一度や二度ではありませんでした。

そのたびに、

「次は何をしたらいいんだろう。」

と、新しい方法を探していました。

何が足りないのだろう。

どんなケアをすれば、理想の肌になれるのだろう。

努力をやめたわけではありませんでした。

むしろ前よりも、肌のことを考え、情報を集め、できることは増えていきました。

それなのに、理想としていた肌には近づいているようには思えませんでした。

頑張れば頑張るほど、選択肢は増えていく。

けれど、その中から自分に合うものを選ぶことは、だんだん難しくなっていきました。

情報を集めれば集めるほど、「何が自分に合っているのか」が分からなくなっていったのです。

今振り返ると、当時の私は、肌に何かを「与える」ことばかりを考えていたように思います。

「どうして、思うように変わらないんだろう。」

その答えを知りたい。

そんな想いだけが、少しずつ大きくなっていったのです。

答えを知りたくて。

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「どうして、思うように変わらないんだろう。」

その問いは、いつしか、

どうしたら”ちゅるん”っと毛穴が目立たなくて、透明感のある理想の肌になれるんだろう。

という想いへ変わっていきました。

自分が自信をもてる肌になりたい。

その気持ちは、日に日に強くなっていました。

けれど、期待を込めて選んできた美容アイテムが増えるばかり。

美容液もある。クリームもある。フェイスパックもある。
エステへ通い、プロの手を借りたこともありました。

それでも、思い描いていた肌には近づけていませんでした。

「このままでは、何も変わらない。」

そう思ったのは、増えていくのは美容アイテムばかりで、肌はもちろん、自分自身の気持ちも変わっていないことに気づいたときでした。

本を読んでも、インターネットで情報を探しても。
プロに頼っても。

自分なりに頑張っても、見つからない答え。

その頃の私は、「何を使えばいいか」を探しているようで、本当に知りたかったのは、もっと違うことだったのだと思います。

“どうして、肌は思うように変わらないのか。”

その理由を知りたかったのです。

誰かから答えを教えてもらうだけでは、私はきっと、この先も答えを探し続ける。

そんな気がしました。

自分の肌だけを見ていても、きっと見えないものがある。

もっとたくさんの人の肌に触れたら、何か分かることがあるかもしれない。

年齢も、肌質も、肌悩みも違う。

たくさんの肌に触れ、その変化を自分の目で見て、自分で確かめたい。

その想いは、少しずつ大きくなっていきました。

この消えない疑問に答えを出すためには、

もう、自分でやってみるしかない。

そう思い、私は「答え」を自分の手で見つけるために、美容の世界へ飛び込むことを決めました。


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